• Fスイミングクラブ 深作

水泳スポーツ障害について

最終更新: 3月3日

こんばんは、Fスイミングクラブです。

今回は、水泳に多いスポーツ障害をまとめました。


[1] 水泳肩

 クロールとバタフライでは、推進力を生み出すのは圧倒的に腕の運動です。そのため、肩関節はフルに動かされます。そこで次のような動作が故障を起こしやすいのです。

 クロールでは、水から抜いた腕を前方へ運び、ふたたび水中へ入れますが、入水前に肩関節は内側に回転し、同時に前方へ思い切り伸ばされます。このとき肩甲骨の強力な靭帯と、上腕2頭筋の腱などがぶつかってこすれ合うことがあります。水中でプル動作が進むにつれ肩を内側へ、脚の方へ強い力で引かれるので、こすれあう腱への血液循環が悪くなります。このようにして腱の炎症が起きると少しずつその部分が肥厚して、まさつが強くなります。その結果おきる肩関節痛が水泳肩です。

入水時後ろ(上方)から見た図 水泳肩の治療と予防には、その選手に合ったトレーニングを考える必要があります。また、早めにリカバリー動作に移るようにしたり、入水時に母指からでなく中指から入るようにしたりすることにより、肩の内側への回転をおさえるようにフォームを修正するとよいのです。クロールではローリングを有効に使うことや、呼吸側を変更して、肩への負担を軽くするように考えます。ハンドパドルの多用も控えるとよいでしょう。手指から上肢帯全体にかけてのストレッチングは必ずしておかなければなりません。特にいわゆる「かたい肩」の選手にはよく説明する必要があります。

ハンドパドル 肩関節には、大胸筋、広背筋といった強力な内旋筋がありますが、これに対抗してバランスをとる筋群の強化も必要です。

 中高年では、背泳の練習をしすぎて肩関節痛を起こすことがよくあります。背泳は、肩の後方への大きな動きを必要とするためです。 

[2] 腰痛には、過伸展によるものと腰椎分離症によるものがあります。  水泳では、腰に体重の負荷がかかることはありません。しかし水泳特有の姿勢と、泳法や練習方法による特有の運動の繰り返しで腰椎(背骨の腰の部分)に負担が加わり、腰痛を経験する選手は少なくありません。 (1)過伸展によるもの  上級者では、クロールの選手に腰痛が多く、初心者ではバタフライの選手に多いようです。クロールでは、水の抵抗を最小限にするために体を流線型に保つためと推力を強めるため、ハイエルボー(水中で肘を高くして腕をかくこと)を心がけるために、常に背筋を緊張させて腰椎を伸展(前かがみの反対に反りかえるかたち)させています。このような姿勢の保持により、背骨の全長に添って付いている太い筋群が緊張しつづけることと疲労することにより腰痛が出現します。 バタフライでは、独特の呼吸法とドルフィンキックを行うため、腰椎を過伸展します。低年齢で筋肉や骨の発育が充分でなく骨が薄くて細い初心者では負担が強くかかるため腰痛が出現します。 ビート板を使ってバタ足の練習をするときに、頭部と下肢が浮かび上がり腹部が沈み込むため腰椎の伸展が強制されます。特に小児に大人用のビート板を使用させると、浮力が強く上半身が浮き上がるためこの姿勢が強くなり腰痛を起こしやすいのです。 背泳の初心者では、下半身は沈んで自転車のペダルをこぐようなキックになりがちですが、この姿勢も腰椎の過伸展を起こし腰痛を起こすことがあります。腰痛予防にはじめた水泳で、逆に悪化する例がありますが多くは背泳の自転車型キックによるのです。 また中高年では、クロールの呼吸を一流選手のようなローリングで行うと腰椎に強いねじれと過伸展が生じ腰痛を起こすことがあります。見栄を張らずに「丸太泳ぎ」(上半身全体をぐるりとまわして呼吸する)をおすすめします。

(2)腰椎分離症は、腰椎への負荷が繰り返し加わったため、骨が耐え切れずに壊れてしまう病気です。分離症の分離とはどこでしょう。腰椎は大きな円筒形の骨とその左右の後方から張り出して脊髄を抱え込む弓状の骨とから出来ています。 この弓状の骨に強い力が反復してかかると分離症が生じます。背骨は体の動きによりいつも少しずつ動いているので安静にさせることは不可能で、いったん折れてしまうともとのように接着させるのは難しいのです。分離症の発生頻度は、普通の人では4~7%ですが、バタフライ選手では22%にみられたという報告があり、腰椎に対する負荷が大きいことがわかります。 (3)腰痛の治療 このように腰の痛みが出た場合には、けっして放置したり我慢を強いたりしてはいけません。痛みは、どこかに無理がかかっているという体のサインです。泳法を変えるか休養をとり、負担がかかった部分に回復する時間を与えることが必要です。さいわいヒトの体は機械とちがって自己回復力があるので、早めに十分な時間を与えればたいていの故障はなおるものです。 予防には、腰を過伸展しないようにフォームを正しくすることが一番です。また水に入る前と泳いだ後にストレッチを行うことも大切です。背中の下方の筋群、下肢の屈筋群(後ろ側の筋肉)、腸腰筋(ちょうようきん)のストレッチを重点的にしましょう。腹筋の強化も非常に有効ですが、脚を屈曲して上体を起こすようにしなければいけません。

[3] 平泳ぎ膝

 膝の障害は、膝の使い方が激しい平泳ぎに多いのです。平泳ぎでキックを開始するとき、膝関節は最大の屈曲位をとっています。ここから強力に水を蹴りながら下肢を伸展していくと、膝を外側に回す力と膝から下を外側に向ける力が加わります。むかしの平泳ぎは、膝を広げて下肢で水を挟み込むように蹴るウエッジキックでしたが、近年、ウイップキックという、膝の間隔は狭く足部は最大に外側へ広げて水を強力に後方に蹴りこむキックが主流になりました。このため膝の外旋・外反が強く起こるのです。このキックにより膝の内側の靭帯に強い力が働き、繰り返し刺激によりこの周囲に炎症を起こして膝関節痛を生じたものが「平泳ぎ膝」と考えられています。

青少年では靭帯や骨の発育が不十分なため、膝に同じ力を長時間反復してかけないよう、平泳ぎの練習時間を短縮するとか、他の泳法の練習を間に入れることや、キックの際に主要な働きをする大腿四頭筋、股関節内転筋の強化とストレッチとを行うことは重要です。ウイップキックによる膝のストレスを軽減するため、キックとともに膝を離すようにすることやウエッジキックに変更することがすすめられます。

筋力トレーニングは重要とはいえ、身長が伸びる盛りの少年少女では、骨の伸びる速度に筋肉の成長が追いつかないため、運動をしていない日常的にも筋肉が緊張して張っている状態です。このようなときに強い筋トレをすると、過剰な負荷のため筋肉の破壊か、筋付着部の骨の剥離が起こりやすいのです。

当クラブでは、受講者皆様にけが予防指導を行っています。

怪我のない皆様楽しいスポーツを目指そう!

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